■タスポ(taspo)の導入計画
タスポ(taspo)に対抗する顔認識システムという方法
タスポ(taspo)に対抗する方式のたばこの成人識別方法を提唱している企業もある。
「顔認識」という技術を搭載したタバコ自動販売機を提案している株式会社フジタカ(京都府長岡京市)である。
株式会社フジタカは、同じ京都の地元企業、オムロン(注:昔、「立石電気」という社名で電卓などを作っていたイメージがあるが、OA機器やIT関連の一流企業である)が開発した顔認識システムで成人識別する新型たばこ自販機の開発を推進中である。
タスポ(taspo)は、事前登録制の認証カードを使って、認証する方式であるが、この方式は、自動販売機という無人の機械がチェックするにはあまりに「穴」が多い方式ではないだろうか?
株式会社フジタカは、日本たばこ協会が2008年から全面導入するタスポ方式の自販機に対抗し、「顔認証方式」という新技術の成人式別方式を搭載した自動販売機を2007年中の発売を目指す。
未成年者への販売を防ぎながら、成人はタスポの様な事前申込を行わずにすみ、従来通り手軽に利用できるシステムを目指している。
オムロンによると、顔認識システムは、デジタル画像処理で人の顔を検出し、人が見て判断するのとほぼ同じ精度で年齢層を判断できるという。
試作機は、自販機に搭載した小型カメラで購入する人の顔をとらえ、成人かどうか識別する。
技術的には、人間の骨格を点で読み取り、判断するらしいが、
黒いサングラスなど、光を反射して骨格の読み取りを妨げるものを装着している場合は、判断できない。
判断できない場合は、未成年として、自販機を使えなくする。
成人と判断した場合だけ購入を受け付け、音声で案内する。
成人か未成年者かという、二者択一の方式であるため、骨格を判断して、どちらか見分けがつかない場合は、未成年として処理させるようだ。
「疑わしきは、購入させず。」
ということらしい。
だが、大人でも子供っぽい骨格をした人はいるわけで、そういう場合の救済策も考えているという。
顔認識で、
「あなたは”未成年”」と判断された成人の人は、設置したタバコ屋さん(お酒屋さん)へ行き、自分が成人であることを申告する。
タバコ屋さん(お酒屋さん)は、確かに成人であると判断した場合は、自販機の顔認識装置を操作して、その”未成年”の人の顔を再度、機会に認識させるというのだ。
自販機に顔を覚えさせることで、この自販機に再び訪れた人は、今度は、堂々と顔を成人であると認識してもらい、お酒やタバコが買えるというわけである。
この方式とタスポ・・・・
皆さんはどちらが、優れた方法だと思いますか?
種子島での実証実験で分かった問題点(2)
種子島でのタスポ(taspo)成人識別の第二次実証実験での問題点は、タスポカード申し込みの煩雑さだけではない。
本末転倒とも言うべき現象が種子島で発生しているのである。
タスポ(taspo)の成人識別システムの目的は、いうまでも無く、「未成年の喫煙防止」である。
ところが、タスポ(taspo)の導入が、
未成年の喫煙をむしろ助長している
と思われる現象が発生しているのだ。
ここに興味深い新聞記事がある。

この記事は南日本新聞2007年7月20日の記事である。
記事は、種子島でのタスポ(taspo)実証実験導入後、3年での喫煙補導件数を報じている。

記事中の補導件数と内、喫煙での補導件数の推移を見て欲しい。
種子島での実証実験が始まった、2004年から、2005年までは順調に喫煙での補導が減少しているのに、2006年から一転して補導件数が増加している・・・・という傾向について、言及し、
「たばこカード(注:実証実験ではタスポ(taspo)ではなく、たばこカードと呼ばれている)の導入でかえって未成年の喫煙は増加しているのではないか?」
と言いたいようだ。
ただし、統計上のマジックもあるので、私のほうで、補導件数と喫煙での補導件数の割合を見てみた。
明らかに、2005年と2006年は補導件数自体に補正が必要である。
おそらく、統計数字をまとめた年度のズレがある。
2005年は異常に補導件数自体が少ない。
2005年と2006年をならすと、補導件数:213件中、喫煙補導は、94件で、占有率44.1%となる。
つまり、統計からは、
「2005年は10件と激減したのに、2006年は喫煙補導が激増した。」ように見えるのだが、
やや意図的な統計の見せ方だということだ。
しかし、それを割り引いても、喫煙での補導は、たばこカード(タスポ(taspo))導入で、減少しているとはとても言えない。
むしろ、増加傾向にあるとは言える。
この原因について、種子島署では、こう分析している。
「同じ少年が数回補導されているケースもある。たばこカードは予防効果はあるが、常習者はあの手この手で対抗する。」
補導された少年たちは、いったん取得した親のたばこカードを持ち出したり、成人の先輩からカードを借りて購入したいしているらしい。
統計から、見えるのは、たばこカードが3年間で定着したが、未成年者は、カードの弱点(カードさえあれば、ノーチェックでたばこが買える)をついて、たばこを購入している。
つまり、タスポ(taspo)が全国展開された場合も、この傾向は変わらない
→タスポ(taspo)によって未成年者の喫煙は減らない
種子島での実証実験で分かった問題点
社団法人日本たばこ協会(TIOJ)、全国たばこ販売協同組合連合会(全協)及び日本自動販売機工業会(JVMA)の3団体は、2002年4月1日~2003年3月31日に千葉県八日市場市で第一次導入検証を実施。
そして、2004年5月10日から鹿児島県の種子島で第二次導入検証を開始したわけだが、種子島での実証実験では、いろいろな問題点が浮かび上がってきた。
社団法人日本たばこ協会のHPによれば、
「・・・・・1年経過後の検証では各業務、活動、カード、ハード面、使い勝手、販売店オペレーションでのトラブル、混乱もなく、順調に実験を行うことができております。」
とあるが、現場ではそうでもないようだ。

これは、種子島のタスポの実証実験に使われているカードだ。
タスポ(taspo)普及の最大のネックは、
タスポ(taspo)カードに顔写真が必要
なことである。
このため、種子島の現場では、カード発行の際、タバコ販売店で、スピード写真撮影機の設置、ポラロイドカメラの配布など、大変だったようである。
成人でタバコを買いたい人が、タスポ(taspo)申込書をタバコ店にもらいにくる。
しかし、郵送が必要で、さらに顔写真を添付する必要がある・・・・。
パスポート並みの厳しさなのだ。
パスポートは無ければ、外国に渡航できない。
しかし、タバコのパスポートである、タスポ(taspo)が無くても、スーパーやコンビニで普通にタバコが買えるのである。
実証実験段階でも、すでに「カードの申し込みに顔写真の添付が必要なこと」はタスポ(taspo)普及の大きな足枷になりそうであるという問題が露呈した格好である。
実際のたばこの購買にも影響が出た。
導入時に20~30%販売量が減少したのである。